
わたしたちが社会の中で生活していくためには、たとえば会社に勤めなければならないとか、税金を納めなければならないとか、さまざまな制度的慣習を引き受けなければなりません。人間という生物として、そのような生き方がよい生き方なのかどうかはわかりませんが、わたしはときにそんな慣習とはまったく別の生のあり方について考えることがあります。それは死というわたしたちの生の外側にあるものを考えることに似ているかもしれません。
今、わたしは主に3つのシリーズによって制作を続けています。3つのシリーズは、はっきりと分類されているわけではなくて、ときに混じり合う場合もあります。これらのシリーズで共通して考えていることは、生の外側を見つめ、決してその向こう側に行くことはできないことがわかっていながらも、今いるこの場所にとどまり続けるという生のあり方についてです。
SpaceOddity![]() |
誰もいない場所に残された誰かがいたような痕跡と異質な空間の広がりが、間接的に感情のようなものを感じさせるような絵画の実現を目指しています。会議室や映画館など、ふだんは人が集まる場所をモチーフにして、なかでも壁やスクリーンなどの境界線を介した、向こう側とこちら側の世界の関係に着目しているシリーズです。 |
Hideface![]() |
人の感情は顔がいちばんあらわすものだと感じています。その顔の部分だけが狼などの動物に置き換えられ、わたしが特に表情を持っていると感じる部分を隠しています。 また自分の分身である、「影」に着目して制作しているシリーズです。 |